本 「ネバーランド」 恩田陸

オススメ度 ★★★★★
恩田陸さんの学園モノで最近有名な「夜のピクニック」、これも評価が高い。
だけど、私はこの「ネバーランド」のほうが心にぐっときた。
なんで、この人は、こんな風に人間を描けるの?
外出先で読んだ本だけど、危うく泣きそうになった。

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四人の少年たちの、お話。
それぞれに家庭の背景があって、それがお涙頂戴におさまっていないところが好き。
人間ってタフなんや、と我が人生を振り返りながら、そう思えた。

普通に、素直に育ってきた美国が皆に好かれる理由もよく分かる。
「普通に」というのは、なんて難しいことなんだろう。
我が子にはそういう人生を用意してあげたいけれど、これだけは思うようにはいかないのかな?

離婚相談中の両親が寮に押しかけてきたとき・・寛司がさけぶ。
自分の居場所のなさ、は思春期には誰もが一度は感じることだろうけど、家庭の事情でその居場所が確保されない人間は、本当に辛い。寛司の叫びが、心に刺さった。

だけど、寛司が両親に対して叫べるのは、小説の中だから有り得たのだと思う。
大抵の子供は、大人の勝手に振り回されながらも、大人の事情を子供なりに理解して把握して、物わかりをよくしてしまう。
こどもは、いつも親をかばう。切ないくらいに。
「いい加減にしてくれ」と親に向かって言えない、子供の多い事よ。

だけど、この本の中で、四人の少年達が「自分」を吐き出してくれて良かった。
恩田さんの、キャラに対する愛情を感じた。
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by hiroponnaruaimam | 2005-10-12 15:33 | 読んだ本です。