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今日読んだ本は???

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『Miss You』/柴田よしき 文春文庫
★★★☆☆
主人公の有美は東大卒の文芸編集者。優等生タイプで見た目もそこそこ、性格も生真面目で素直、挫折体験のないまますくすく大人になったタイプ。仕事も熱心で、編集者としての楽しさも分かってきたころだ。
同僚の女性が殺され、有美本人も狙われ始めた。命を狙われたり、婚約者のもとに変な郵便物を送られたり。心当たりは全くない有美。
誰が犯人なのか。なぜ、有美は狙われたのか。

えっ?この人?という人が犯人で驚いた。というか、キャラ立ちがしっかりしていない人が犯人だと、私的にはちょっとがっかりなんですけど。その、悪意の原因もなんだか腑におちない。
婚約への嫌がらせの犯人についても、うーむ、そうなのか・・という位の感想で。
と、非常にドライな感想で申し訳ないのだけど、ミステリーとしては、危機感や焦燥感があまり感じられなくて残念。
ただ、有美の編集者としての仕事ぶりや、「別れさせ屋」云々の材料は面白いくらい細かく書かれていて、興味深かったので、★みっつ、かな。
作家の才能についての記述も面白く、わが身とふりかえって見ることができた。
私も本を読むのが好きなので、恥ずかしながら、若いころは自分で短編を書いたりしてそのときは筆が結構のって楽しいのだけど、あとで見返すと、その才能のなさにがっかりしたものだ(笑。
筆者の言う、
「作家の才能は、なにもないところから話をつくりだすこと」
って当たり前に感じるけれど、違うんだよね、自分で文章を組み立ててみると分かるけれど、過去にあった話のバリエーションを変化させているだけの作品しか作れない私には、その才能はないってことよね~と。
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『あなたへの贈り物』/和泉ひろみ 新潮社
★★★☆☆
第一回小説新潮新人賞受賞作品
新人賞でこれか~。面白かった。★みっつは辛いかな。
主人公涼は外科医で主婦で男の子の母。
子供はすくすくとかわいく育ち、夫は理解もあり、姑とは少しうまくかみ合っていないが、それなりにうまくいっている(?)。
ただ、「日本の妻のあるべき姿」に、夫や姑、そして涼本人も苦しみ、こじれていく。
仕事をしている女性だけではなく、専業主婦もうなづける作品だと思う。
これといった「悪いやつ」は存在しないのに、こじれていく家庭。
涼自身はとても理性的で、高潔だし。
夫も、心の奥底に住む「本当は嫁はこうであってほしい」という願望に気づきつつも、涼のことをよく理解していて家庭作りに励んでいるし。←浮気したけど。
姑も意地悪だなぁと思うけれど、どこかきちんとピンと張っていて、自分の品位が落ちるほどあからさまな意地悪はしない人だし。
唯一はっきり悪人は、夫の浮気相手の女性だけど。この人も、よかれと思う行動をしているわけだし。←あくまで自分本位だけど、この人は。

私自身はといえば、とっても「日本の女」だと思うし、良妻賢母ではまったくないけれど、妻として嫁として、そして一番、母として求められているものを演じ分けている。
それが不幸とは思えないし、そういう多面性のある自分自身が「私」なんだから、と思うけれど、これに仕事がはいったら、正直キャパオーバーかなぁと思う。
色々わが身にかえて考えることが出来る作品なので、ぜひ★
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『天使のナイフ』薬丸 岳 講談社
★★★☆☆ これもほしみっつはからいかも。
第51回江戸川乱歩賞受賞作品
少年犯罪を題材にした小説。
主人公桧山の妻は、娘の前で強盗に殺害される。その犯人は、十代の少年たちであった。犯人の少年たちはそれぞれ更生施設に行き、出所する。そのことに納得がいかず、やりきれなさも抱える桧山。
あるとき、犯人の少年のひとりが殺害されるという事件が起きる。
疑われる桧山。
無罪の証明と、それよりも、本当に少年たちは更生したのか。そのことを知りたくて、桧山は少年たちのこの数年間を調べる。調べていくうちに、少年たち、そして亡き妻の過去も徐々に知れてきて・・・・・・、なんと、妻の殺人事件は偶然の強盗ではなく、「つくられた事件」であることを知る。
犯人は誰か。
面白かった。桧山の苦しみ、納得のいかない苛立ちにも同調できたし、更生したとはいえない犯人の少年たちにも憤りを感じた。
少年審判については、この本を読んだだけではなんともいえないし、最近は、被害者側・加害者側の本もたくさん出ているので、私もよく読んでいるけれど・・・。
被害者側にとっても、加害者側にとっても、厳罰に処す場合も更生に賭ける場合も、いずれにしても、受け入れる社会の成熟度をもあわせて考えると、簡単に決められる問題ではないなぁといつも感じる。

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『弘海~息子が海に還る朝~』/市川拓司 毎日新聞社
★☆☆☆☆
「いま、会いにゆきます」の作家さんだよね?
感情でストーリーを展開させていくのがうまい作家さんだとは思うけれど、それなら題材を選んでほしかったなぁというのが私的感想。
恋愛もの、家族ものならいいけれど、この作品では、体調の悪い息子が実は特異体質で「海に還るべき少年」であったという設定なのだけど、その、体質の理論的な説明が欠けているので、ぐいぐい引っ張られないのよね。感情移入ができなかった。

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『1日だけのナイチンゲール』立花隆ほか 弓立社
★★☆☆☆
43人の看護記録。
作家、ほか、活躍中の業界の方がいろんな病院の色々な科で1日看護体験をするというもの。

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どたばたした日ほど、本が読みたくなる。
一種の精神安定剤かも。
図書館や古本屋でふと借りた本ばかり。
忙しいときは、好きな作家を避けてしまうのはなんでだろう(笑。

ただいま読んでいるのは 「エミリ・ブロンテ」。
美しい世界に夢中になってしまい、夜寝るのも忘れそうだ。

by hiroponnaruaimam | 2007-12-19 18:31 | 今日読んだ本は?